病院機能評価
当院は2024年7月に公益財団法人日本医療機能評価機構の病院機能評価を受審し、
定められた認定基準に達していることが認められ、2024年11月1日付けで認定証の交付を受けました。
主機能 精神科病院
副機能 リハビリテーション病院・緩和ケア病院
〇 4つの「S評価」を獲得しました!
「病院機能評価」とは、病院の医療の質を第三者機関が評価する制度です。
評価を行う日本医療機能評価機構は、国民の健康と福祉の向上に寄与することを目的とする公益財団法人として1995年に設立。
病院が備えているべき機能について、中立・公平な専門調査者チームによる「病院機能評価」審査を行い、一定の水準を満たした病院を
「認定病院」としています。
約130項目の病院機能を専門調査者が審査し評価しています。S、A、B、Cの4段階で評価され、S評価は「秀でている」とされています。
〇 S評価項目(主機能)
01
領域1 患者中心の医療の推進
地域への情報発信と連携
1.2.1 必要な情報を地域等へわかりやすく発信している
審査結果報告書より
地域への情報発信では、ホームページのほかに広報誌「オリブ山たより」を年4回発行しており、ホームページにもバックナンバーとともに掲載している。企画・編集は病院の委員会が担当し、法人本部の広報担当と連携して病院の最新の情報を地域に発信している。
広報誌には、病院の医療サービスの紹介だけではなく、多岐にわたる病院の活動や地域との連携の様子が紹介されている。
例えば、地域の「まちづくり協議会」に参加しており、自治会長や関係者などの紹介なども積極的に行っており、評価できる。
診療実績はホームページに管理統計資料としてまとめられている。また、病院の年間の活動状況を年報形式の「年誌」としてまとめて振り返りや課題の整理を行っており、優れた取り組みである。
02
領域1 患者中心の医療の推進
地域への情報発信と連携
1.2.2 地域の医療機能・医療ニーズを把握し、他の医療関連施設等と適切に連携している
審査結果報告書より
地域医療連携室が中心となって、地域の医療関連施設の状況を把握し、積極的な連携活動を展開している。
地域の中核的な医療機関との連携や脳卒中・大腿骨骨折地域連携パスも積極的に活用している。新たに、市立病院と誤嚥性肺炎地域連携パスにも参加している。
連携担当者は地域のクリニックに継続的に訪問し、顔の見える連携関係を構築している。
離島の精神科診療に取り組んでおり、5 つの離島に定期的に精神科医師やスタッフを派遣している。
紹介・逆紹介への対応や返書の管理も適切に行われており、総じて地域連携活動は高く評価できる。
評価を受けた取り組み
地域連携についての取り組み
近隣の浦添総合病院、那覇市立病院、県立南部医療センターとの連携。脳卒中・大腿骨骨折地域連携パス、誤嚥性肺炎地域連携パスに参加し活用してます。
連携担当者が急性期病院や地域のクリニックへ継続的に訪問し、紹介のあった患者さまの情報、お互いの状況を共有しながら顔の見える連携関係を構築しています。
精神科島しょ診療についての取り組み
精神科島しょ診療は、2010年5月から各島々に住む島民からのご支援や、島内で働く診療所、役場、保健センターなど、関係者の方々からの力添えと励みに後押しされて、今日まで継続して巡回診療を行うことができております。
現在は5つの島で巡回診療を行っております。
S評価項目(副機能)(緩和ケア病棟)
03
領域2 良質な医療の実践1
チーム医療による診療・ケアの実践
2.2.19 自律支援およびQOL 向上に向けて取り組んでいる
審査結果報告書より
新型コロナウイルス感染症禍にあっても、2023 年12 月から家族面会を完全に実施できるよう取り組まれている。外出や外泊を支援するなど、気分転換を図る工夫を行っている。
また、毎日のお茶会、季節ごとのイベント(毎月)、ケーキバイキング、誕生会などを通じて、他の患者・家族と触れ合う時間を作っている。ボランティアが4 名活動しており、チャプレンをボランティアコーディネーターとして、バルコニーの植物を育てたりしている。絵画や工作を行う時間を設定し、作品展を開催する取り組みがある。
Wi-Fi を設置し、インターネット環境を整備している。これらは、日常生活のリズムを保ち、社会との接点を確保する取り組みとして高く評価できる。
評価を受けた取り組み
療養生活
母の日や敬老の日など、その時季に合わせたメッセージカードを準備したり、毎日、お茶会を行い、コーヒーや紅茶の香りで、家庭的なやすらぎを大切に、患者さまが豊かに過ごされるように取り組んでいます。
04
領域2 良質な医療の実践1
チーム医療による診療・ケアの実践
2.2.23 臨死期への対応を適切に行っている
審査結果報告書より
おおむね日にち単位の予後を臨死期と定めている。起こり得る症状や医療・ケアについて、多職種カンファレンスで計画の見直しを行い、医師が患者・家族に説明している。
逝去後は、シャワー浴のあと更衣をして、エンゼルケアを家族とともに行い、緩和ケア病棟併設のチャペルで「お別れ会」を行いお見送りをしている。多職種が参加してデスカンファレンスを開催している。
ケアプロセスの事例では、精神疾患からの暴言・暴力に対して、どのように感じて対応してきたかをそれぞれが振り返り、院内のCVPPP(包括的暴言暴力予防防止プログラム)委員会で検討し、教訓を得ている。
日本ホスピス緩和ケア協会の全国的なインターネット遺族調査に参加して、振り返りを行っている。
逝去後49 日を目途に、担当看護師とチャプレンからメッセージカードを遺族に送付している。年1 回の緩和ケア遺族会「虹の会」を再開し、準備を開始している。これらは秀でた取り組みとして高く評価できる。